『スティーブ・ジョブズ』著者:ヤマザキマリさんインタビュー 「彼は嫌な奴であり、天才であり、ひと言では言い表せない男です!」 ジョブズが亡くなって自伝が出版されると決まった時に、講談社の担当編集さんから連絡がきたんです。でもその時は、少し考えさせてくださいという返事をしました。 ---すぐに「描きます」とはならなかったんですね。 そうなんですよ。その時の私は忙しかったし、ジョブズに対してシンパシーがなかったので(笑)。 でも、Macファンの息子からは『お願いだから自伝を読み直してほしい』と頼まれ、旦那とエンジニアの舅からも『やるしかないだろ!』とか、とにかく周りにいろいろ言われてしまって(笑)。身近な人間からそこまで強く言われると、もう一度自伝を読み返すしかないじゃないですか。 ---そこから、描くことを決めた理由はなんだったんでしょうか? 改めて読むと、ジョブズの偏屈っぷりが、私の周りに