(*)高柳氏プロフィール(著書より) 1942年生まれ。66年毎日新聞社入社。おもに経済部記者。84年からメディア部門。データベース次長、メディア事業局次長など。 ゲーム業界本の中には「アンチ任天堂系」というべきジャンルがある。任天堂=悪の図式で書かれた本だ。このジャンルの「大家」は馬場宏尚氏だ(*)。しかし、馬場氏は商売としてこの図式を利用しているだけのようなのだが、ここで取り上げる高柳尚氏は任天堂=悪の図式を本気で信じているようなのだ。行間から任天堂への憎しみがあふれ出る一方、SCEの喧伝したバラ色のビジネスモデルを本気で信じている。それゆえ、ある意味とても面白い本である。ツッコミ入れどころ満載だからだ。