記者会見でグーグルを批判する谷川俊太郎さん(右から2人目)ら日本ビジュアル著作権協会のメンバー(4月30日)=文部科学省で 米グーグル社の書籍デジタル化事業を巡り、同社が米国の作家らと和解した問題が、各国の作家や出版社に波紋を広げている。著作権を巡る国際的混迷は、デジタル化時代に書籍の著作権をどう守り活用するかという難問も突きつけている。(文化部 川村律文、ニューヨーク 佐々木良寿、ブリュッセル 尾関航也) 「認めれば補償金」 米の和解、世界を拘束 今回の事態は、グーグルが米国内の大学図書館などと連携して蔵書をデジタル化する計画に対し、全米作家組合と全米出版社協会が「著作権侵害」として2005年に集団訴訟を起こしたことが発端となった。 両者は昨年10月、グーグルのデジタル化を認める代わり、一定の金額を著作者に払う内容で和解に合意。著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」の規定などにより、世界中