死刑囚たちはどのようにして最後の時を迎えるのか 確定死刑囚にとって、逮捕・起訴されたときから始まる司法当局との攻防は、死刑執行をもって終わりを迎える。同時に、司法当局にとって死刑執行は、確定死刑囚に対する最後の「手続き」になる。確定死刑囚と司法当局のどちらにとっても、死刑執行が重く厳粛な「儀式」であることに違いはない。 法務官僚と法相、法務副大臣の決裁を受けた後、法相名による「死刑執行命令書」が検察庁に届くと、対象となった確定死刑囚が収容されている拘置所長には、管轄の高等検察庁から死刑執行の指示がくる。 その後、拘置所では秘密裏かつ入念に死刑執行の準備が施され、当日の朝を迎える。確定死刑囚たちは、どのようにして最期の時を迎えるのか。関係者の証言や公開されている資料などから、その模様を探ってみたい。