森瑶子の思いで 4 ミセス・マコ・ブラッキンのご招待の後は暫く落ち込んだ。 80〜90%もの時間を使わないと支えられない仕事人生とは・・・体力も才能、であるなら、私は明らかに才能不足である。 諸手を挙げて息子の代理母を引き受けてくれた実母に依存し過ぎている自分、振り向かずに出て来た家庭、どれ一つ自慢出来るものはなかった。 何と不本意な人生を送っていたのだろう。 自立の代償は大きかった。 そして時を同じく、マコも家庭の中で心に広がる飢餓感と絶えず闘い続けていた事はその後の著書から明らかだ。 ただ彼女の偉さは仕事を持った後も家庭・子育ても両立させていた点にある。 ある日、10歳の誕生日を目前にした息子が交通事故に遭った事で私の不自然な日常生活にピリオドが打たれた。 事情があったにせよ5年間の永きに渡って子育てを放棄していた自分自身が罰せられたのだ。 最も愛すベき者を犠牲にしてしまって・・・。