思春期の学生の睡眠時間を確保するため、中学・高校の始業時刻を遅らせようというプロジェクトが立ち上がった。その名も「始業時刻適正化プロジェクト」。中心メンバーは、京都大学の瀧本哲史・客員准教授が主催するゼミの参加学生だ。 同プロジェクトの公式サイトによると、思春期の生徒には最低でも8時間の睡眠時間が必要だ。しかし日本の高校生で8時間以上寝ているのは約1割のみ。男子生徒にいたっては約半数が6時間未満しか眠っていないという。 アメリカ小児科学会「思春期は23時前に寝て朝8時前に目覚めるのは難しい」 プロジェクトを中心になって進める、一橋大学経済学部の萩原峻太さんは、睡眠不足の影響についてこう説明する。 「睡眠不足だと、自殺の危険性が約3倍に高まったり、学業成績が低下したりしてしまいます。しかし睡眠時間が増えれば、学業成績が上昇し、病欠や授業中の居眠りが減少することがわかっているんです」 睡眠不足