ボストンのゲーム開発会社Akili Interactive Lab(以下、Akili)は、アメリカ大手薬品会社Pfizerと共同で、注意欠陥・多動性障害(以下、ADHD)の改善を目的としたiOS向けゲームの開発を進めている。現在は試験的運用も実施できるレベルであり、FDA(米食品医薬品局)に承認されれば、従来の薬と同じようにゲームを患者に処方することが可能になる。これは障害治療法としては、珍しい試みである。 ADHDとは、不注意・多動性・衝動性の3つを中心とした日常生活に支障をきたす特性のことであり、いわゆる発達障害と呼ばれている症状である。最近では国内でもADHDを取り扱うテレビ番組・関連書籍が増加傾向にあり、国民の関心が高まりつつある。厚生労働省によれば、日本人で発達障害と診断された人の数は約48万1000人といわれており、その数からADHDは決して珍しい症状ではないことが分かる。 ゲ