恐竜の時代に暮らしていたトガリネズミに似た小さな生き物が、ある意味で私たちすべての母なのかもしれない。 中国遼寧省で発見された化石の動物は、「中国のジュラ紀の母」という意味で、ジュラマイア・シネンシス(Juramaia sinensis)と名付けられた。有胎盤哺乳類、つまり人類のように比較的成熟した赤ん坊を産む動物の、知られている限りで最も古い祖先になるという。 1億6000万年前のこの化石標本により、有胎盤類と有袋類の系統が進化上枝分かれした時期が、従来考えられていたよりも3500万年早まることになる。この動物が現代の有胎盤類の直接の祖先かどうかは不明だが、「大伯母にあたるか、あるいは曾祖母にあたるかだ」と研究論文の著者らは話す。 ネズミからクジラまでを包含する有胎盤類は、真獣類と呼ばれる哺乳類の中で唯一生き残っているグループだが、ジュラマイア・シネンシスは、これまで知られている中