過労死が社会問題となる中、厚生労働省は長時間労働が常態化している医師の働き方改革を目指すが、実現までの道のりは多難だ。兵庫県内でも救急対応や緊急手術で疲弊する勤務医は少なくないが、医師には正当な理由なしに診療を拒めない「応召義務」が課せられ、残業時間の削減はハードルが高い。「目の前に苦しむ患者がいれば、睡眠不足でも診療せざるを得ない」との声も根強く、医師不足や高齢化を背景に現場は使命感とのはざまで揺れている。(末永陽子、佐藤健介) 【写真】病院行きバスのナンバー 「42○○」が物議 医師の過労死は後を絶たない。2016年1月、新潟市民病院で女性研修医が過労自殺した。東京都内の病院に勤務していた産婦人科の男性研修医が15年に自殺した件も、17年7月に労災認定された。兵庫県内でも養父市の公立病院で07年、当時34歳の男性医師が長時間労働やパワハラを苦に宿舎内で自殺した。 全国医師ユニオンなどが