村上春樹さん(74)の6年ぶりの新作長編小説「街とその不確かな壁」(新潮社)が13日刊行された。そのタイトルから、1980年に文芸誌に発表後、長く封印してきた幻の中編小説「街と、その不確かな壁」との関連が推測されていた本作。刊行を前に毎日新聞などのインタビューに応じた村上さんが、執筆の経緯から、作家としての自身の変化までを幅広く語った。【関雄輔】 物語の内容に踏み込んだインタビュー後半はこちらから。 「村上春樹さん 新刊長編小説に込めた『物語の力』への信念」 壁に囲まれた街というモチーフ 旧作「街と、その不確かな壁」は400字詰め原稿用紙で百数十枚の作品。「文学界」の80年9月号に掲載後、単行本にも全集にも収録されず、熱心なファンの間でのみ存在を知られる幻の作品だった。 「デビューしてすぐの頃で、まだ文章の書き方がよく分かっていなかったんです」と村上さんは振り返る。「書きたかったモチーフな
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