とは言ってみたものの… 僕は、馬から落ちそうになる恐怖とロッキー君に対する不信感を払拭できずに… この世の終わりのような顔をしています。 かつて、これほどまでに楽しくなさそうに馬に乗ったのは、戦で負けて逃げ帰る武士ぐらいでしょう。 また、ロッキー君に対して疑心暗鬼になっているので、 ロッキー君のちょっとした動きの変化だけでも緊張感が走ります。 当然こんな状態なので、練習場をぐるぐる周る練習でも… 全然思い通りに動いてくれません。 柵の外になにかあるわけでもないのに柵の外を向いて止まろうとします。 前に「愛は見つめ合うことではなく、同じ方向を一緒に見ることだ」的な恋愛の格言を聞いたことがあって、「本当の意味で心を通わせるってのはきっとそういうことなんだろうな」とそれまでは思っていました。 しかし、こうやって一緒に柵の外を見てるときに、それは間違いだと気付かされました。 このように完全に冷めき