『蒼天航路』は読むたびになにか語りたくなる箇所がたくさんあるのだけれど、今回は中でも、「唯才是挙」にまつわるあれこれ、特に人の才を巡る曹操と華佗の会話(26、27巻)に最高に興奮した。 「唯才是挙」というのは、曹操の発布した求賢令の骨子となるもので、人材の登用にあたり、その人が非情であるとか邪悪であるとか不逞であるとか不仁不孝であるとかはどうでもよく、ただ(唯)才能(才)さえあれば用いるぞ(是挙)、というもの(裏返せば、たとえ情に厚く善良で礼や仁や孝を重んじる者であっても、才能が無ければ用いない、というもの)。 もとより曹操は、優れた人材を集めその才能を発揮させることについては、ほとんど狂気的とも呼べるような関心と情熱を持っているが、それを求賢令として法案化するきっかけとなったのが、医者・華佗とのエピソード。「神医」とも評され、医療において際立った功績を上げている華佗だが、曹操の招きにはな
![『蒼天航路』「唯才是挙」、そして人の才を巡る曹操と華佗のスリリングな会話が最高におもしろい - 読んだもの観たもの](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/606180f07cd1cd579c5d3db80dbedacfb5bf20c3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51f3AD3bZdL._SL160_.jpg)