世紀の難工事といわれた黒部ダムなど黒部川電源開発(富山県黒部市)で使用された関西電力の竪坑(たてこう)エレベーターや資材運搬通路が、来年5月から公開される。関電と地元自治体などが協力し、立山連峰などが一望できるパノラマ展望台や登山道も整備。北陸新幹線開業を見据えた新周遊ルートが誕生する。関電の担当者は「施設の保守や工事関係者用に使用してきた施設。先人が心血を注いだ電源開発の息吹を体感してほしい」と話している。 人跡未踏の秘境といわれた黒部峡谷のダム電源開発は大正時代に始まり、資材の運搬を目的に多くのトンネルや鉄道が建設された。 関電などによると、新たに開設された周遊ルートは工事用の鉄道や施設をめぐり、標高約860メートルのパノラマ展望台を目指す片道約1・3キロのコース。年間約2万5千人を受け入れる。 出発地となる黒部峡谷鉄道の宇奈月駅からトロッコ列車で終点の欅(けやき)平(だいら)駅に向か