76 戦後初の新規格郵便ポスト「1号丸型」の試作から完成まで 戦後初の新規格郵便ポスト 「1号丸型」の試作から完成まで ―謎のレターポストの解明― � 井上 卓朗 � 研究ノート ❶ はじめに 丸い郵便ポストは、その存在自体が懐かしさを感じさせるものであり、日本人の心の原風景 に欠かすことのできない存在となっている。 現在、日本各地で、このポストを中心に、村おこし、町おこしが行われており、愛好者によ るポストの修復などさまざまな活動も行われている。その中心にあるのが、戦後すぐに開発さ れた一号丸型ポストである。その中には、郵便・POSTではなく、郵便・LETTERと表記され ている珍しいものも見つかっている。 本稿では、戦時中の代用ポストに代わる新規格ポストとして開発された、一号丸型ポストの 試作から完成までの経緯を、新たな資料をもとに考察する。 ❷ 開発の目的 郵政事業は、 戦時中もかろ