スマートフォンなどインターネットを使って診察を受ける「遠隔診療」が注目されている。昨年8月の事実上の解禁から1年余り。安定した症状で初診は対面診療などの条件はあるが、処方箋や薬を自宅へ届けてもらうこともできる。導入する医療機関は徐々に増えている。(森 信弘) 兵庫県加古川市の女性(85)は、骨折や骨粗しょう症の娘(58)が「大西メディカルクリニック」(同県稲美町)の遠隔診療を受ける。訪問スタッフが持参するタブレットで、大西奉文(ともゆき)院長とやりとりをする。 娘には障害があり、言葉もうまく話せないため母が代わりを務める。最初は対面診療だったが、今は画面越しに状況を話して薬をもらう。「高齢なので娘と一緒に通うのが大変だった。本当にありがたい」と話す。 同クリニックが遠隔診療を始めたのは今年8月。まずは、はり・きゅうや骨粗しょう症を対象に始めた。院内処方の薬は訪問スタッフらが届ける。