ゴジラ対パセリ
書評家の看板を掲げていて、一番よく訊(き)かれる質問は、「月に何冊くらい読むんですか?」。 時と場合によって、10冊と答えたり、50冊と答えたりするが(いいかげんですみません)、実際、冊数では自分でもよくわからない。というのも、本を読んで書評を書く仕事は、この稼業のごく一部だから。 たとえば、収入的に意外と大きな割合を占めるのは、新人賞の予備選考や本選考。賞が集中する時期は、月に50冊分くらい応募原稿を読むこともある。このご時世でも作業が電子化されていない賞が多いので(出版界は意外とローテクなのです)、自宅の寝室に原稿の段ボール箱が積み上がり、生活空間が著しく圧迫されることになる。 その他、アンソロジーに収録する作品を探すために大量の雑誌を読み漁(あさ)る時期もあれば、小説教室(ゲンロン大森望SF創作講座)の受講生が提出する梗概と短編を毎月読む仕事もある。つまり、小説を大量に読んではいるけ
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