レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 記憶の人フネス ボルヘスの小説「記憶の人フネス」は、完璧な記憶力の持ち主の不幸な物語だ。 物語中では、フネスは痴呆に近い人、頭の回転が鈍い人として描かれる。 フネスは完璧な記憶を持つ。その代わり、考えることができない。 フネスの記憶は完璧すぎて、たとえば三時十四分に横から見た犬と、 三時十五分に前から見た犬とが同じ名前で呼ばれるのが理解できない。 完全な記憶を保持できる人にとっては、「犬」という一般化した概念は必要ないから、 全ての思考は単なる思い出しの作業になってしまう。 考えるため、何かを創造するためには、頭に入ってきた情報をから必要なことだけを 取り出して、概念化するプロセスが欠かせない。記憶が完全に保たれるなら、 そもそも「必要な部分