世界で最も有名な自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」は、選手約180人が出場し、チームスタッフは約450人。さらに世界各国から約2000人の報道関係者が集まる(以上、2019年のデータに基づく)。そして観客は数十万人。各国にテレビ中継され、多くのファンが熱狂する。例年、7月に開催されているが、今年は新型コロナウイルスの影響から約2カ月遅れて実施される予定だ。 ツールに集うカメラマン約300人のうち、コース内をオートバイで移動しながら撮影できるのは12人だけ。その資格を得るために世界中のカメラマンがキャリアを積む。自転車競技がメジャースポーツではない日本から単身で渡欧し、32年かけて確たる地歩を固めているのが砂田弓弦さん(58)=富山市在住=だ。イタリア・ミラノを拠点にレースを転戦し、撮影した写真を各国のメディアに提供、新聞・雑誌の紙面を飾ってきた。7月11日から2日間、同市内で開催さ