異色の「法律書」が30万部を超えるベストセラーとなっている。2019年8月に発売された『こども六法』だ。著者の法教育研究者・山崎聡一郎さん(26歳)は、子どもたちに「いじめは犯罪」と伝えたいとこの本を書いた。 下は5歳から大人まで幅広い層に読まれている。「いじめで悩む子どもたちに届いてくれたらうれしい」と話している。(ルポライター・樋田敦子) ●こども六法を書いた理由 文部科学省が行った問題行動・不登校調査(2018年度)によると、全国の小中高校などで認知されたいじめは、54万3933件で、過去最多となった。2019年には、殴る蹴るに加え、金品の巻き上げ、便器に頭を突っ込ませて土下座させるなど、人間の尊厳を失わせるような陰湿ないじめが目立っている。 いじめの被害に遭っても、友達や親、周囲の大人たちに助けを求められない子どもたち。山崎さんは、そんな子どもたちに、いじめや虐待に対処するために知