この御方は現代のアバネイル、トーマス・サルメ(Thomas Salme)。 ―フライトシミュレータで幾晩か飛行演習を重ね、偽の飛行機操縦免許を刷ってボーイング737のパイロットになりすました整備技師です。この13年、何百何千という乗客が乗る旅客機を大過なく操縦してきたって言うんだから...驚きなんてもんじゃないですよね! いろんな意味で! 彼が往復してたのは、スウェーデンとヨーロッパ一円を結ぶ区間です。数ヶ月前、警察に逮捕されるまで誰ひとり偽パイロットとは気付かなかったそうですよ? 逮捕時、サルメ偽副操縦士はアムステルダムのスキポール国際空港で乗客101人が乗るボーイング737のコックピットで離陸準備の最中でした。 逮捕後はバカなことしてしまった...と認めています。 本物の飛行機副操縦士に出願する、そんなイカれた考えがひらめいて、普通の白い紙でロゴ入りのスウェーデンの飛行機操縦資格免許を