文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:陸 秋槎発売日: 2020/12/03メディア: Kindle版この『文学少女対数学少女』は前漢時代の中国を舞台にした本格百合ミステリ『元年春之祭』や学園百合ミステリ『雪が白いとき、かつそのときに限り』の陸秋槎による最新の邦訳作品。推理小説大好きな文学少女と数学少女を軸にして、数学とミステリの相似を探りながら犯人当てゲームに興じていく、4篇から成る連作短篇集だ。 対、とついていると一つの事件に対して、別のアプローチを探る二人が推理合戦でもするようなイメージが湧いてくるが、タイトルは麻耶雄嵩の 『貴族探偵対女探偵』へのオマージュであって、対決というよりも協同して一つの事件や謎に別角度から向かっていく作品である。文学少女にして推理小説大好きな少女は著者と同じ陸秋槎という名前を冠され、自伝的な要素も盛り込まれているとあとがきでは語られている。