『半分、青い。』(NHK総合)が終わった。新しい朝ドラ『まんぷく』(NHK総合)はもう始まってしまったが、ネット上で様々な賛否両論を巻き起こし、話題を呼んだ問題作『半分、青い。』とは何だったのか。 オフィスティンカーベル時代の鈴愛、裕子、ボクテ【場面写真】 不思議なドラマだった。28歳の漫画家という夢の挫折以降、異色の朝ドラヒロイン・鈴愛(永野芽郁)は何かをやってみてはすぐに挫折する行程を繰り返した。回り道に回り道を繰り返し、自由奔放で直情的な彼女と、どんどん増えていく個性的な登場人物たちと、唐突な時間経過に当惑したことは何度となくあった。だが、『半分、青い。』から目が離せなかった一番の理由は、このドラマが皮肉にも「何かを失う」瞬間、それこそ朝ドラ史に残るのではないかというほどの力のある、凄まじい光景を見せつけてきたからだ。その最たるものは、才能が枯渇した27歳の鈴愛が足掻きつくし、周囲を