ここ数年で、広く一般に知られるようになった企業買収ファンド。では、彼らはいったいどのような視点で企業を見つめ、買収の判断をするのだろうか? 前回は、ロマン(事業戦略)とソロバン(資本政策)をバランスよく発展させてゆくことが大事だと述べた(9月25日の記事参照)。今回は、具体的な企業を例に考えてみよう。 とはいえ、そのまま解説したのでは面白くない。ここでは企業買収人になった気持ちで、具体的に上場企業の買収のロジックをご紹介したい。 タウンニュースは割安? 神奈川県秦野市に、地元密着型のフリーペーパーを発行する「タウンニュース(2481:JQ)」という会社がある。タウンニュースは、2006年にジャスダック市場へ上場したばかりだが、その後、新興市場の低迷に合わせる形で株価が下落している。企業価値評価システム「バリューマトリクス」の評価を見ても、割安な水準に置かれている。 株価が割安な水準に置かれ