「介護殺人」という言葉が聞かれるほど、介護問題は深刻化している。中でも、息子による被介護者への虐待は顕著な現象だ。夫婦間や、親と娘よりも息子が介護者となる場合に、問題が起きるのはなぜなのか。『介護する息子たち』(勁草書房)を上梓した平山亮・東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム研究員に、息子としての男性、息子介護の実態、そして男性学への違和感などについて話を聞いた。 ――息子介護についての本ですが、序章で「男性が息子としての経験を語らない」ことを指摘されています。これは親の介護とどう関係しているのでしょうか? 平山:母娘関係が話題に上っているように、多くの女性は、娘としての経験を率直に語れるのに対し、多くの男性は、息子としての自分については、口ごもる、もしくは美談しか語りません。父親や、夫として男がどうあるべきかについては、饒舌に語ることがあるにもかかわらず、です。 家
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