震災から4年が経ち、今はどういう状況なのかと、よく訊かれる。最近の私の答えは「個々に違いすぎて一概には言えない」ということである。 ご承知のように、GDPが上昇すれば、今の世の中ではむしろ格差が増す。現代社会は働いて得られる所得よりも株や不動産などが生み出す富の方が大きいため、それが格差拡大につながるのである。分配の不平等だけでなく、似たような状況での受け止め方に個々違いがあるせいも大きいのだろう。復興景気の波に乗って気分も上々という人もいれば、仮設住宅で自殺する人もいる現状なのだ。 平時でもこうした差はあるはずだが、今の被災地ではそれが非常に目立つのである。 震災後、被災地の人々はコミュニティの大切さを痛感した。直接に被災しなかった人々は、コミュニティ単位で支援したし、被災した人々は常に暫定的なコミュニティの仲間たちと困難に耐えてきた。 避難所というのも一時的なコミュニティを形成したのだ