アルコールエンジンで動く、アル中ハイマーのライター仁がつづる雑記帳おちゃらけばかりでなく、ちょっと真面目な話も書いておこう。 10年ちょっと前、スーパーフライ級の川島郭志を取材したことがある。天才的な防御で玄人受けするチャンプだった。 「日本チャンプでは食べていけない。僕はセブンイレブンでアルバイトをしていた。世界王者になって初めてボクシングで食えるんです」。 と、彼は言った。 今はさらに苦しくなっている。 世界戦の高額なファイトマネーの源泉は、入場料とテレビ放映権。後者の比率は高い。 かつてボクシングの世界戦といえば、民放キー局がゴールデンタイムに生中継というのが当然だった。ところが最近の格闘技ファンの関心は、よりエンターテインメント性が高いK-1や総合格闘技に集中しがちで、テレビ局が視聴率が取れる方に原資を投入するのは資本主義では当然の行為だ。そのため、最近では王座戦を2つ、3つと組み