「何事も言ってみるもんですね。1万円安くしてと大家さんに交渉したら、1万円は無理だけど5000円ならということで、6万円の家賃が5万5000円になりました」 無邪気にそう喜ぶのは、東京都内のワンルームマンションに暮らすHさん(26歳男性)。今、Hさんのように家賃が下がる人が続出しているのをご存じだろうか。大家受難の状況に、年々拍車がかかっているのだ。 現在、賃貸住宅の募集(空室)期間は平均3カ月(首都圏の場合)といわれており、大家は一度空室になると家賃3カ月分(6万円なら18万円)の減収を覚悟しなければならない。もちろん、すぐに入居者が見つかる物件もあるだろうが、逆に半年以上も空室になることもザラ。そのうえ、部屋の畳や壁紙などを替える原状回復費用もバカにならない。敷礼なし物件が普及する中、かつてのように工事費用を入居者に転嫁することも難しくなっている。それなら、多少家賃を下げてでも今の借主
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