DeNAの山口俊投手は、今季取得したFA権を行使する申請書を球団に提出した。「せっかく手にした権利だし、他球団の評価を聞いてみたい」という。ごく全うな考えだ。しかし、「野球人としての評価をとるか、チームへの愛着をとるか」で散々悩んだようで会見では、涙がこぼれた。 しかし、これは可哀想すぎる。彼が最終的に他球団との契約を決めベイスターズを去ることが決まったのなら涙もわかる。チームメイトやファンを想い感極まろうというものだが、あくまでも他球団の評価を聞くだけの段階なのだ。 一部の(でもないか)球団は、FA宣言後の出戻り契約を認めない方針を表明している。それからするとDeNAは民主的かつ賢明で、「今後も契約締結の努力は続ける」としている。それでも、帰属意識が高い日本人社会で、FA権を得ながらも行使するには「宣言」といういわば踏み絵的なプロセスを選手に課していることは心情的に許容しがたいし、FA市