中学校の卒業式前日、15歳。教諭からわいせつな行為をされた。以後、高校から大学までの約4年間、性的関係を拒否することができなかった。それからおよそ20年後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した。好きだった? いや、違う。「先生のすることは正しいと思っていた。疑うことができなかった」。ようやく記憶と感情を整理することができるようになった。そして、損害賠償を求めて民事裁判を起こし、実名で性被害を告発した。訴訟のハードルが高いことは分かっている。それでも「被害に沈黙して生きていくことに耐えられない」と彼女は言う。(文・写真:高木哲哉/Yahoo!ニュース 特集編集部)