古代ローマ帝国期の円形闘技場「コロッセオ」の床を復元し、イベントなどの会場として利用する構想が実現する見通しとなった。計画を推進するイタリアのフランチェスキーニ文化相が４日、「資金を確保した」とツイッターで明らかにした。 紀元１世紀に完成した闘技場はローマの象徴で、約５万人を収容できた。中央部には木製の床があったが、１９世紀の考古学調査の際に撤去された。現在は、剣闘士と闘うライオンなど猛獣のおりや通路があった地下部分を客席側から眺めることができる。 地元メディアによると、１８５０万ユーロ（約２５億円）が床の復元に向けられる。地下部分は博物館に改装される予定だ。構想には賛否両論があり、現状維持を訴える一部の学者は「コロッセオを遊園地にしようとする発想」などと批判している。（ローマ＝山尾有紀恵）

国際移住機関（ＩＯＭ）は４日、今年これまでに地中海で死亡した密航中の移民や難民が２千人を超えた、と発表した。２０１４年の同時期には１６０７人で、増加傾向だ。１４年の全犠牲者数は３２７９人だった。 ＩＯＭによると、地中海中央部を航海してイタリアに向かうルートは、他のルートに比べて大幅に危険だ。今年に入って、約９万７千人が利用したイタリアに向かうルートでの死者が約１９３０人に達した一方、約９万５００人が利用したギリシャに向かうルートでの死者は約６０人だった。 ＩＯＭはまた、今年は約１８万８千人が地中海で救助されたと明らかにしたうえで、夏季は密航が増加することから、救助者が２０万人に達するのは目前だとしている。（ジュネーブ＝松尾一郎）

過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）に対する米国主導の有志連合による空爆作戦をめぐり、トルコ紙デイリー・サバ（電子版）は４日、米軍が今週中にもトルコ南部アダナのインジルリク空軍基地に、戦闘機３０機、兵員約３００人を配備すると報じた。 トルコ政府は先月下旬、有志連合が同基地を使用することを許可した。同基地はシリア北部のＩＳ支配地域まで２００キロしか離れておらず、米軍は今後、同基地を拠点に対ＩＳ空爆を展開するとみられる。 サバ紙によると、配備されるのはＦ１６戦闘機やＦ１５戦闘機。対ＩＳ空爆をめぐって米軍はこれまで、ＩＳが「首都」と称するシリア北部ラッカから１５００キロ以上離れたカタールなどの基地から出撃していた。インジルリク空軍基地の使用が可能になったことで、今後は戦闘機の出撃回数の増加、シリア上空での滞空時間の大幅延長が見込まれる。（イスタンブール＝春日芳晃）

高速道路の交通事故では、故障・事故などで停車した車や路上に降り立った人に、後続車が衝突するという事故がいまだ後を絶ちません。「まさか自分の車が故障や事故なんて・・・」「停車している車や人が路上にいるなんて・・・」というドライバーの油断や慢心などが重大事故を引き起こす要因になっています。そこで、高速道路での事故防止のために心がけたい3つのポイントを紹介します。 1高速道路ではどんな事故が多いの？ 高速道路は歩行者や自転車が進入できない自動車専用道路のため一般道路よりも安全、と考えているドライバーもいるようです。しかし、高速で走行する自動車がひとたび事故を起こした場合、重大事故となる危険をはらんでいます。 高速道路で発生しやすい事故には、次のようなものがあります。 （1）簡易分離の区間における反対車線はみ出し ポストコーンなどの簡易なもので仕切られた片側1車線道路において、走行中の車が何らかの

南米初となる２０１６年ブラジル・リオデジャネイロ五輪の開幕まで、５日であと１年。サッカー以外のスポーツへの関心が薄い国民性に加えて不景気で、祝祭のムードはまだ遠い。それでも既存施設を活用する「節約五輪」を掲げ、貧困層へのスポーツ普及の取り組みも進む。ラテンの民の情熱にうまく点火できるか。 リオ北部のマドゥレイラ公園に巨大な五輪マークのモニュメントが輝く。前回ロンドン大会を開いた英国から届いたものだ。 だが、その前で子どもを遊ばせていたジャケリニ・オリベイラさん（３６）は「学校や病院など、もっとお金を使うべきところがある。モニュメントはきれいだけど、ブラジルの現状を思うと複雑だ」と話した。 同じくリオ北部のマンゲイラ地区。現地で「ファベーラ」と呼ばれるスラム街だ。れんが造りの簡素な家々がぎっしり立ち並ぶ山の斜面からは、五輪の開会式会場となるマラカナン競技場が見下ろせる。 住民の収入は月８００

米カリフォルニア州の各地で大規模な原野火災が相次ぎ、被害が深刻化している。ＡＦＰ通信などによると、３日までに１４万２千エーカー（約５７４平方キロメートル）が焼損。計１万３千人以上の住民に避難指示や勧告が出された。火災は、同州を襲った記録的な干ばつが原因となり、６月中旬ごろから広がり始めた。落雷で着火するという。 計９千人以上が消火にあたり、一部で火の勢いが食い止められているものの、３日になって新たな火災も発生するなど難航。先月３０日には男性消防士（３８）が消火活動中に死亡した。同州のジェリー・ブラウン知事は先月３１日、非常事態宣言を出した。

農村に住む一人の脳性まひの女性の詩が、いま中国で爆発的に読まれている。鮮烈な色彩感と躍動感を持つ言葉で表すのは、農村の四季と農民の心情、民工（出稼ぎ労働者）の現実、そして自らの内に潜む情動だ。昨年末、中国版ＬＩＮＥ「微信」で発信されると、瞬く間に中国全土に拡散。社会的ブームの様相を呈している。（末尾に日本語訳の全文） 詩人の名は余秀華（ユイシウホワ、３９）。湖北省鍾祥（チョンシアン）市郊外に住む。出生時の影響で脳性まひの後遺症が残る。不自由な手で一文字一文字つづった代表作が「中国の大半を通り抜けてあなたを寝に行く」だ。「中国の大半を通り抜けて」とは、文字通り中国の大半を物理的に移動すること。「あなたを寝に行く」とは、性交を意味する。愛する伴侶と夜を共にするにも長距離を移動しなければならない「民工」の現実をうたっている。 「寝に行く」は中国語で「去睡你」と書く。文法的には明らかに間違いだが、