2011年末に誕生した北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権。数多くの高官を粛清し、2度の核実験を行った。強硬路線の裏側には、自らの力量に強い不安を感じる指導者の姿がある。生き残りを図るため、核・ミサイルの開発に突き進んでいる。 「米国と追従勢力は心理戦放送を再開するとして、戦争の瀬戸際へと導いている」。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞(電子版)によると、金己男(キムギナム)党書記が8日、平壌での核実験を祝う集会で演説した。 金正恩氏の誕生日の8日、韓国軍は軍事宣伝放送を再開。指導者として「能力不足」などと痛烈な言葉を浴びせ、幹部の粛清で100人超が処刑されたと主張した。北朝鮮軍に武力挑発の兆候はみられないが、党幹部が放送再開を非難する姿勢を明確にした。 32、33、34歳との説がある正恩氏について韓国政府は、行き詰まった内政や外交への焦り、年齢や経験不足による党幹部たちへの劣等感な