国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官は29日、27日までの3日間にリビア・イタリア間の地中海で起きた3件の密航船転覆事故で、難民・移民700人以上が死亡した恐れがあると明らかにした。AP通信が伝えた。 26日には、難民ら約670人を乗せてリビア西部をイタリアへ向けて出発した船が転覆。約100人だけが救助された。船にはエンジンがなく、別のすし詰め状態の船に牽引(けんいん)されていたという。25日に起きた別の事故では約100人が行方不明で、45人の死亡が確認された27日の事故も多数の行方が分からないという。 気候が温暖になった3月以降、貧困や紛争を逃れて欧州を目指し、地中海を密航する難民・移民は急増。事故も絶えない。多くはサハラ以南のアフリカ出身者だが、トルコ・ギリシャ間のエーゲ海の密航ルートが閉ざされたことで、シリア人やイラク人も今後増えると懸念されている。(ローマ=山尾有紀恵)
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