中国で昨年７月以降、人権派の弁護士らが一斉に拘束された事件で、その弁護人や家族らが６日、捜査を続ける天津の検察に出向いて抗議したところ、少なくとも７人が公安当局に拘束された。記者を含む９人との情報もある。支援者が明らかにした。 支援者らによると、拘束されたのは、国家政権転覆容疑で逮捕された北京の弁護士、李和平氏を弁護する蔡瑛氏ら弁護士４人と、李氏の妻ら家族３人。拘束の容疑など、詳細は明らかになっていない。 蔡氏らはこの日、李氏らと接見できないなど弁護権が侵害されているなどと抗議し、当局を告発する書面を提出した後、拘束されたという。また、家族らは検察の前で、夫の名前を書いたバケツを持ち、長期拘束に抗議していた。 香港の人権団体によると、事件では計３００人以上が連行された。弁護士ら２０人以上が国家政権転覆容疑などで逮捕され、弁護人と接見できないまま、約１１カ月に及ぶ長期拘束が続いている。当局側

中国の家電量販最大手、「蘇寧」グループは６日、サッカーのイタリア１部で、日本代表ＤＦ長友が所属するインテル・ミラノの株式の７割を買い取ると発表した。買収額は約２・７億ユーロ（約３３０億円）。インテルは２０１３年に、インドネシアの実業家トヒル氏が筆頭株主になっていた。中国企業がイタリア１部リーグのチームを買収するのは初めてとされる。 蘇寧は中国最大の家電量販チェーンを運営するほか、日本の家電量販大手・ラオックスも傘下に持つ。同社が中国１部リーグに持つサッカーチーム「江蘇蘇寧」はこの冬、ブラジル人ＭＦラミレスとＦＷテイシェイラの獲得に計約１００億円の移籍金を支払ったことでも話題となった。 イタリアの名門チームを巡っては、インテルと同様にミラノを本拠とするＡＣミランについても、通販世界最大手アリババグループなど中国企業による買収観測が出ている。（北京＝斎藤徳彦）

韓国外交省は６日、尹炳世（ユンビョンセ）外相がキューバのロドリゲス外相と会談したと発表した。韓国外相のキューバ訪問は初めて。キューバは１９５９年のキューバ革命後に韓国と断交する一方、北朝鮮と国交を結んで緊密な関係を築いてきた。韓国としてはキューバと関係を改善し、北朝鮮を孤立させる狙いがある。 韓国外交省によると、両外相は二国間や地域、グローバルレベルでの関心事項について話し合ったという。具体的には明らかになっていないものの、北朝鮮問題についても取り上げられた可能性もある。 尹外相は首都ハバナで開かれるカリブ諸国連合首脳会議に出席する名目でキューバを訪問した。韓国外交省は当初、第２次官を政府代表として派遣すると発表していたが一転、尹外相の訪問を明らかにした。尹外相の訪問は北朝鮮の妨害工作を懸念し、水面下で調整を続けていたという。 韓国外交省は米国とキューバの… この記事は有料会員記事です。有

野党の反対を押し切って新たな憲法を作る。チェック機関である憲法裁判所の権限を弱める。その一方で、メディア規制を強化する――。ハンガリーで権力の一元化が進んでいる。２０１０年、中道右派「フィデス・ハンガリー市民連盟」が総選挙で、憲法改正に必要な「３分の２」の議席を獲得したことに端を発する。選挙での大勝は、政権に万能の力をもたらすものなのか。現地を訪ねた。 新たな憲法、個人より共同体 ハンガリーの首都、ブダペスト。中央を流れるドナウの河畔にあって、ひときわ威光を放っているのが、築１１０年を超える国会議事堂だ。ここに、厳重に保管されているものがある。「聖なる王冠」。王国時代からの権力の象徴だ。 ２０１２年に施行された新憲法の前文にあたる「民族の信条」には、この王冠が登場する。「我々は……民族の統合を体現している聖なる王冠に敬意を払う」 オルバン・ビクトル党首率いるフィデスは１０年、当時与党だった

米大統領選で５日、プエルトリコの民主党予備選があり、ＡＰ通信によるとクリントン前国務長官がサンダース上院議員に勝利した。クリントン氏は、指名獲得に必要な代議員数まであと一歩となっており、カリフォルニアやニュージャージーなど、６州で予備選・党員集会がある７日に過半数に達する見通しだ。 プエルトリコは州でないため、有権者は大統領選の本選で投票できない。だが、人口は約３５０万人おり、民主党の一般代議員も６０人が割り当てられている。クリントン氏はこのうち半分以上を獲得する。４日には米領バージン諸島の党員集会でも勝利しており、７人の一般代議員のうちの６～７人を得た。 ＡＰ通信によると、５日時点で、クリントン氏が得ているのは一般代議員１７７６人と、党幹部らで構成する特別代議員５４７人の計２３２３人。過半数の２３８３人まであと６０人で、プエルトリコの代議員を足すとさらに迫る。一方のサンダース氏は一般、特

ペルー大統領選の決選投票が５日に行われ、即日開票が始まった。選管の中間発表では、中道右派のクチンスキー元首相（７７）が、フジモリ元大統領の長女で中道右派のケイコ・フジモリ氏（４１）をわずかにリードしているが大接戦だ。 投票は５日午後４時（日本時間６日午前６時）に締め切られ、一斉に開票が始まった。選管発表では開票率５１・７％で、クチンスキー氏が５０・５９％の票を獲得。４９・４１％のケイコ氏を上回っている。６日朝（日本時間６日夜）までには大勢が判明する見込みだ。 クチンスキー氏は公式発表前、… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。

スイスで５日、国民に一定額の現金を無条件に給付する「ベーシックインカム」制度の導入の是非を問う国民投票が行われ、賛成２３・１％、反対７６・９％で否決された。投票率は４６・３％だった。 導入推進派は最低限必要な１０万筆を超える署名を集め国民投票にこぎつけた。推進派は「貧困撲滅」などを訴え、最低限の生活を維持するための金額として、成人に対して２５００スイスフラン（約２７万円）、未成年に６２５スイスフラン（約６万８千円）を毎月支給することを提案した。 一方、連邦政府は「年間２０８０億スイスフラン（約２２兆７千億円）超」の巨額の費用と、スイスの経済競争力の低下を懸念し、反対の立場を表明。推進派は、財源について、現行の社会福祉制度の切り替えなどで可能だと主張したが、支持は広がらなかった。（ジュネーブ＝松尾一郎）

リオデジャネイロ五輪の聖火リレーで使われているトーチが、インターネットのオークションで高額で売られている。値段はまちまちだが、中には３０万レアル（約９００万円）の値をつける出品者も出てきている。 地元メディアによると、聖火リレーには約１万２千人が参加しており、走者は約２千レアル（約６万円）でトーチを買い取ることができる。ただ、コカ・コーラなどのスポンサーによる招待で参加した走者には無料で贈られている。 オークションには多数のトーチが出回っており、数千レアルから数万レアルの値をつけているものが多い。リオ五輪組織委員会やスポンサーは、トーチの取り扱いは所持者の自由だとしている。３０万レアルの値をつけた出品者は「リレーは感動的だったが、自分が体操を続けることと、貧しい家族を助けるために売ることにした」と説明しているという。（リオデジャネイロ＝柴田真宏）

中国軍の孫建国・中央軍事委連合参謀部副参謀長（海軍上将）は５日、シンガポールで演説し、領有権を主張する南シナ海で「少数の国が混乱を引き起こすことは座視しない」と、米国などへの対抗措置も辞さない姿勢を示した。米軍が計画する在韓米軍への地対空の高高度迎撃ミサイルシステム「ＴＨＡＡＤ（サード）」の配備にも「断固反対する」と語った。 発言は、米国が南シナ海での中国の軍事拠点化の動きを強く批判していることに加え、南シナ海で領有権を争うフィリピンが提訴した常設仲裁裁判所の判決が近く下されるとの見通しを踏まえ、その結果を拒絶する方針を強調したものだ。サードは、北朝鮮の核ミサイルへの備えとして米軍が配備を計画しているが、中国軍は、同時に配備されるレーダーが中国内陸部を探知できることを警戒する。中国の反発は北朝鮮の核問題を巡る国際社会の連携に水を差しかねない。 孫氏は「アジア安全保障会議（シャングリラ・ダイ

拡大する ブッダ（中央）を大勢の弟子たちが囲む仏教彫刻「カーシャパ兄弟の仏礼拝」。２～３世紀ごろの作品で、アフガニスタンに広まった仏教美術の代表作。アフガン国立博物館に展示されていたが、１９９０年代に流出し、日本で見つかった＝東京国立博物館、乗京真知撮影 紛争下のアフガニスタンから盗み出された貴重な文化財のうち、日本で見つかった仏像や壁画などがおよそ２０年ぶりにアフガン側に戻される。闇市場を通じて流れ着き、専門家らが一つひとつ集めてきた１０２点が、返還を前に東京で公開されている。 カブールの国立博物館に黒い覆面の男たちが押し入ったのは２００１年夏、タリバーン政権下のことだった。「仏像は（イスラム教が禁じる）偶像崇拝につながる」と主張し、収蔵品をハンマーで破壊した。 「木箱に隠した品も次々と見つかり、壊されました。隠し場所を教えなかったため、家族を殺された仲間もいました……」。学芸員のハキム

建物の倒壊・損壊から命や財産を守り、二次被害を防ぐため 地震活動が活発な環太平洋地震帯に位置する日本では、大地震が昔から頻繁に発生しており、近い将来にも、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの巨大地震が高い確率で起こると予測されています。こうした大災害による被害を最小限に食い止めるためには、今からできるかぎりの備えをしておくことが必要であり、そのうちの一つとして建築物の耐震化は有効な手段です。 平成7年（1995年）1月に発生した阪神・淡路大震災では、亡くなった方の大部分が家屋や建築物の倒壊によるもので、現在の耐震基準（下記参照）を満たさない昭和56年（1981年）以前の建築物に被害が集中していました。 こうした背景から「建築物の耐震改修の促進に関する法律（耐震改修促進法）」が同年に制定され、平成25年（2013年）11月25日に改正されました。これに基づく国の基本方針において、住宅の耐震

１９８９年に中国・北京で起きた天安門事件当時の学生リーダーの一人、王丹氏（４７）が５日、都内で開かれた「六四天安門事件２７周年記念集会」で講演した。王丹氏は「中国の民主化は日中関係にもプラスになる」と述べた。 会場には約４００人が集まった。王氏は講演で「日中の市民が友好関係を築くのに、共通の基礎となるのは民主だ。日本は中国の民主化運動を支持してほしい」と訴えた。また、台湾のひまわり運動、香港の雨傘運動や、日本でも昨年国会前のデモに若者が多数参加したことに言及し、「どんな学生運動も全面的に支持する。インターネットと若者に希望を感じる」と期待を込めた。 王氏は天安門事件後に逮捕され服役。９５年にも再逮捕された。その後渡米し、現在は、台湾の大学で客員教授を務めている。（矢木隆晴）