麻薬関連の容疑者殺害を認めるドゥテルテ大統領が就任したフィリピンで、警官に殺された死者数が就任後の2カ月で1100人を超えた。無関係な人が殺される事件も起きており、裁判手続きを経ない「超法規的殺人」に国際社会の懸念が高まっている。 大統領公言「麻薬犯罪者は殺せ」、少女巻き添えのケースも 警察当局によると、7月1日から9月上旬までに警察が殺害した麻薬関連の死者は1105人に上る。「犯罪、麻薬、政治腐敗に6カ月以内で成果を出す」と掲げて6月30日に就任した新大統領が進める麻薬取り締まり作戦の結果だ。 作戦では、行政の最小単位である地区の協力で麻薬関与が疑われる住民のリストを作り、警官が家を訪ねて質問する。明文化された規則はないが、訪問時に命に関わるような抵抗にあった場合、警官も攻撃できるとされている。ドゥテルテ氏は「麻薬犯罪者は殺せ」と公言しており、これが殺害が頻発する背景にある。 リストは地