ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は2日、ジョージア(グルジア)、アゼルバイジャン訪問からの帰路の機中で会見し、来年にインドとバングラデシュを訪問する意向を明らかにした。具体的な日程には言及しなかった。 法王は、来年5月にポルトガルを訪れる予定だとし、アフリカ訪問も検討しているとした。バチカンと国交がなく、法王が関係改善を模索している中国を訪問する可能性については「そうしたいが、まだそうだとは思わない」と述べた。「ゆっくりなことは、いつもうまくいく。性急なことはうまくいかない」とも語り、展覧会などを通じて交流を続け、着実に関係を構築する考えを示した。 日本政府や日本のカトリック司教団は、法王の早期の訪日を要請している。(ローマ=山尾有紀恵)
アフガニスタンの首都カブールに戦乱で失われたバス路線を復活させようと、日本政府が12年前、115台の新車のバスを贈った。だが今、大半が野ざらしになっている。復興が始まって15年。ほかにも巨額の国際支援がうまく使われない例が目立つ。ブリュッセルで5日に開かれる支援国の会合では、援助の効果が主な議題になる見通しだ。 カブール南部の国営バス公社の車両修理場。雑草が生えた裏手の空き地に、約80台の大型バスが無造作に並ぶ。塗装がはがれ、フロントガラスが割れたり、タイヤがパンクしたり。どの車体にも日の丸のマークが付いている。 国際協力機構(JICA)によると、途上国援助(ODA)の一環として2004年にアフガン政府に無償供与したのは、大型バス98台と小型バス17台。252カ所のバス停設置も含め、事業規模は22億3千万円だった。 「3年ほどたった頃から1台また1台と走れないバスが出始め、今も走っているの
台湾の公営の台湾鉄路(台鉄)に3日、東武鉄道の特急「スペーシア号」デザインの車両1編成が登場し、台北の台鉄南港駅ホームで出発式が行われた。台鉄と東武鉄道の交流の一環で、台鉄の特急「自強号」を金色のベースが特徴のデザインにラッピングした。半年間運行する。 日本と台湾の間ではお互いに観光客を誘致しようと、鉄道協力が盛んになっている。特に台湾の訪日客はリピーターが多く、地方にも足を伸ばすため、日本側の期待は高い。東武鉄道は昨年12月に台鉄と友好鉄道協定を締結、台鉄の特急「普悠瑪(プユマ)号」デザインの車両を走らせるなどしてきた。東武鉄道は7日に台北支社を開設する予定だ。 出発式に参加した東武鉄道の根津嘉澄社長は「より多くの方々に日本においでいただき、東京スカイツリーや(沿線の)鬼怒川温泉に来てもらいたい」とあいさつした。(台北=鵜飼啓)
大気汚染が深刻な北京市近郊の公園に、「世界最大」をうたう空気清浄機の塔が登場した。オランダのデザイナーらが中国政府の環境保護部門と協力して作った。高さは約7メートル。エコエネルギーを使って1時間に3万立方メートルの空気を吸い込み、塔周辺の大気を浄化できるという。 広い北京では「焼け石に水」という指摘もあるが、大気汚染のない将来に向けて市民を啓発する狙いもあるとか。今後、国内を巡回する予定だ。 中国は1日から国慶節(建国記念日)の大型連休中。北京は3日も微小粒子状物質PM2・5などの数値が上がり、「重度汚染」の警報が続いている。子ども2人を連れていた母親(40)は「デザインはいいけど、北京の大気汚染を改善するのにこれだけではね」と苦笑い。「もっと対策に力を入れてほしい」と話した。(北京=延与光貞)
まばたきの回数と勝敗の関係を研究している米国の心理学者が、先月末に行われた民主党クリントン氏と共和党トランプ氏の直接対決となったテレビ討論会について調べたところ、トランプ氏の方が1分間に平均2割強多かった。過去の大統領選では9回中8回まばたきが多い候補が負けている。今後の行方はいかに? 調査したのは米ボストンカレッジのジョセフ・テッチ准教授(健康心理学)。まばたきは不安や緊張の指標になり、「あまりに多いと視聴者に、心の弱さや落ち着きのなさなどネガティブな印象を与える」と指摘する。 テッチさんが90分間に及んだ討論会を録画してまばたきを数えたところ、クリントン氏が1分間に平均55回だったのに対し、トランプ氏は69回だった。人間のまばたきは1分間に平均20回程度で、視聴者を意識するテレビ出演の場合は30~50回程度。トランプ氏の方が、ストレスをやや多く感じていたことを示唆しているという。討論会
南米コロンビアで2日、政府と左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)が交わした和平合意の賛否を問う国民投票が行われ、開票の結果、「反対」が小差で「賛成」を上回った。半世紀にわたる内戦の終結を目指し、政府が主導した和平交渉が、国民によって拒否された形だ。サントス大統領はゲリラとの交渉を続ける考えだが、今後の行方は不透明でプロセスが頓挫する可能性も出てきた。 選管当局によると、開票率99・98%の段階で、合意内容に「反対」は643万1376票で50・21%。「賛成」は637万7482票で49・78%だった。 サントス大統領は同日、テレビ放送で「反対派の意見を聴く」と説明。「停戦状態は今後も保たれる。最後の瞬間まで和平実現の道を探る」と語った。FARCのロンドニョ最高司令官も「我々は平和を求め続ける。武器ではなく言葉だけを使う」と述べたが、再交渉の道筋はみえていない。 サントス氏とロンドニョ氏は
米同時多発テロで米海軍中佐だった夫を亡くした女性が2日までに、テロはサウジアラビア政府に責任があるとして損害賠償を求める訴訟を首都ワシントンの裁判所に起こした。米CNNが伝えた。 訴訟は、米議会が先月28日に遺族らがテロに関与した外国政府への訴訟を可能にする「9・11法案」(通称)を可決したことを受けてのもの。これまでは外国政府は免責が認められており、外国政府への訴訟の道は閉ざされていた。 同時多発テロでは、実行犯19人中15人がサウジ人だった。CNNによると、原告の女性は訴状で、サウジ政府が国際テロ組織「アルカイダ」を10年以上にわたって支援し、米国を攻撃する計画にも気がついていた、と指摘。「サウジの支援がなければ、アルカイダは同時多発テロを計画、立案し、実行する能力を持たなかった」と主張した。 CNNは請求額については触れていない。 法案を巡っては、オバマ政権は、サウジ政府との関係に加
南十字星の下で 内外から不評を買ったオーストラリアの「バックパッカー税」に、ようやく決着がつきそうだ。モリソン財務相は9月27日、「ワーホリ労働者への課税率見直しが閣議で承認された」と発表した。 ワーキングホリデー(ワーホリ)制度でオーストラリアに滞在する日本人を含む外国人の若者たちにとって、今年5月発表の新年度予算案に盛り込まれたバックパッカー税は、大きな心配の種だった。現行では年収1万8200豪ドル(約140万円)まで非課税だが、オーストラリアでの就労で少しでも収入があれば32・5%の所得税を課すと変えた。 ところが、発表直後から、農民や観光業の関係者から激しく反対する声が相次いだ。オーストラリアの農業は、果物の収穫など労働力全体の4分の1をバックパッカーに依存しているといわれる。年間60万人にものぼるとされるバックパッカーは、旅費や小遣い稼ぎのために農場で働くケースが多い。だが、税金
ハンガリーで2日、欧州連合(EU)が決めた加盟国による難民受け入れ分担の是非を問う国民投票が行われた。政府が主張する「受け入れ反対」が有効投票の98%と圧倒的多数を占めたものの、有効投票が有権者の40%と過半数に届かなかったため、法的に不成立となった。ただ、オルバン首相は「EUは民主的な投票の結果を尊重しなければならない」と強気な姿勢を崩していない。 オルバン氏は同日夜、投票結果を受けて支持者の前で演説。圧倒的多数が反対票を投じたことを「偉大な勝利だ」とたたえた。 投票率は43・35%だった。オルバン氏は、約29%と低迷した2014年欧州議会選の投票率を引き合いに出し、「15ポイントも上回ったことはブリュッセル(EU本部)に対する強い武器になる」と強調。投票で示された国民の意思を反映させるため、近く憲法改正に着手することも表明した。 ただ、国民投票を「政権の人気浮揚策」と批判し棄権を訴えて
ハンガリーで2日、欧州連合(EU)が決めた加盟国による難民受け入れ分担の是非を問う国民投票が行われ、政府が主張した「受け入れ反対」が有効投票の98%と圧倒的多数を占めた。しかし投票率は43・35%と低調で、法的には不成立となった。「国民の総意」でEUに圧力をかけようとした政府の狙いははずれたかっこうだが、オルバン首相は「偉大な勝利だ」と強気を崩していない。 オルバン氏は同日夜、支持者の前で演説。圧倒的多数が反対票を投じたことを強調し、「EUは民主的な国民投票の結果を尊重しなければならない」と訴えた。投票率の低迷については、約29%だった2014年欧州議会選の投票率を引き合いに出し、「15%も上回ったことはブリュッセル(EU本部)に対する強い武器になる」と強調した。 EUは昨年9月の首脳会議で、イタリアやギリシャに上陸した難民計16万人の受け入れを加盟国が分担することを決めた。ハンガリーはス
南米コロンビアで2日、政府と左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)が交わした和平合意への賛否を問う国民投票が行われ、開票の結果、「反対」が小差で「賛成」を上回った。半世紀にわたる内戦の終結を目指して政府主導で進められてきた和平交渉は、国民から拒否された形だ。 選管当局によると、開票率99・59%で、和平合意の内容に「反対」は50・23%、「賛成」は49・76%だった。 サントス大統領とFARCのロンドニョ最高司令官は9月26日、内戦終結と平和構築の手順を定めた最終合意文書に署名。サントス氏は国の将来を左右する和平合意には国民が直接関与すべきだとの考えを示し、合意内容を支持するか否かが国民投票で問われた。 投票前の複数の世論調査では、「賛成」が5~6割で、3割台で推移していた「反対」を上回っていた。(ボゴタ=田村剛)
フィリピンのドゥテルテ大統領は2日、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)を引き合いに「麻薬中毒者を私も喜んで殺したい」と発言したことについて、「虐殺された600万の人々をおとしめる考えは全くなかった。ユダヤ人社会に対し心から謝罪する」と演説で述べた。 ドゥテルテ氏は、フィリピンで多くの麻薬犯罪者が殺害され、自身が「ヒトラーみたいだと言われている」と言いたいだけだったとし、「強調したかったのは、私が殺すのは麻薬中毒者だということだった」と話した。一方、「謝罪するのはユダヤ人社会に対してだけ。欧州連合(EU)の弁護士や人権団体よ、ふざけるな」と、麻薬捜査を問題視する団体をののしった。 ドゥテルテ氏は9月30日の演説で、「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺した。(フィリピンに)麻薬中毒者は300万人いる。私も喜んで殺したい」と発言、世界ユダヤ人会議やイスラエル外務省などから批判が集
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