香港立法会(議会)の羅冠聡議員が9日、香港で記者会見し、親中国の過激派とみられる集団から香港空港で暴行を受けたことを明らかにした。羅氏は2014年の民主化デモ「雨傘運動」で活動し、中国に批判的な議員の一人。 羅氏などによると、他の議員とともに台湾の政党「時代力量」が主催したフォーラムに出席し、8日夜に香港空港に戻ったところ、羅氏を「売国奴」とののしる集団に取り囲まれ、殴られたり、液体をかけられたりして軽傷を負った。台湾でも妨害行為を受けたという。羅氏は会見で「愛国の名を借りた暴力」と批判した。 香港では昨年の立法会選挙で、羅氏ら中国に批判的な議員6人が当選した。台湾の時代力量は、過度の中国依存に懸念を強めた学生らが立法院議場を占拠した14年の「ひまわり学生運動」を背景とする政党。中国当局はフォーラム開催前、「『台湾独立』と『香港独立』を掲げる勢力が愚かにも結託して国家分裂をたくらんでも絶対
中国の複合企業集団、中国中信集団は9日、米投資ファンド、カーライル・グループと共同で、米外食大手マクドナルドの中国事業を買収すると発表した。買収額は20・8億ドル(約2400億円)。中信とカーライルなどが共同で新会社を設立し、中国・香港で今後20年間、マクドナルド店舗を運営する権利を得る。 新会社への出資比率は中信52%、カーライル28%。米マクドナルドも20%出資する。中信は中国市場で出店を加速する構えで、今後5年間で地方都市を中心に1500店を新たに出し、既存店でもメニューをてこ入れする方針を示した。金融分野を核に成長してきた中信は、今後の成長が期待できる消費分野も収益の柱に育てたい考えがある。 マクドナルドは中国・香港で約…
黒いキリスト像をのせた山車が練り歩く「ブラック・ナザレ祭り」が9日、フィリピンのマニラで行われた。黒いキリスト像は奇跡を起こす力があると信じられており、像に近づこうと早朝から約250万人が参列(警察当局推計)した。だが暑さで倒れる人やけがをする人が相次ぎ、フィリピン赤十字社によると、午後5時までに約1200人が手当てを受けた。 十字架を背負った像に触れると願いがかなうといわれ、多くの人が山車によじ登ったり、像をぬぐったタオルを受け取ったりしてご利益を得ようとしていた。 今年は祭りを狙ったテロの可能性が指摘され、警察官ら約1万6千人が警備にあたった。約7キロにわたる巡行経路で、携帯電話の電波が止められた。 黒いキリスト像の由来ははっきりしないが、メキシコの芸術家が自分の肌に似せて作った茶色いキリスト像が17世紀初めに帆船で運ばれ、フィリピンにたどり着くまでに変色したといわれる。15年間、祭り
欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は8日、米国の2工場に10億ドル(約1170億円)を投じ、約2千人を2020年までに追加雇用すると発表した。自動車産業に対してはトランプ次期米大統領が米国での雇用創出を強く求めており、これに応じた可能性がある。 ミシガン州とオハイオ州の2工場に新たに設備を入れ、「ジープ」ブランドの大型車の生産を増強。現在はメキシコでつくっているピックアップトラックを米国内で生産する余力も生じるとしている。 FCA最高経営責任者のセルジオ・マルキオンネ氏は「大型車の需要が高まる米国市場の動きに呼応したものだ」などとコメントした。 トランプ氏にメキシコ投資を批判されたトヨタ自動車の豊田章男社長は米デトロイトで9日(日本時間の10日未明)、北米国際自動車ショーに登壇する予定。その発言内容に注目が集まる。
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は8日、米テキサス州ヒューストンで、昨年の米大統領選で共和党候補の指名をトランプ次期大統領らと争った同州選出のクルーズ上院議員と会談した。クルーズ氏は会談後、中国が事前にテキサス州選出の議員に対し、蔡氏との面会を拒否するよう求める書簡を送ってきたことを明らかにした。 蔡氏は9日からの中米訪問の経由地としてヒューストンに1泊した。蔡氏は昨年12月にトランプ氏と電話会談した。中国は米国に対し、中国大陸と台湾がともに「一つの中国」に属するという中国側の原則を認めてきた政策を守るよう求めている。それだけに、今回の会談で中国側がさらに反発を強めるのは必至だ。 クルーズ氏が会談後に出した声明によれば、蔡氏とは米国から台湾への武器売却や経済関係の強化について話し合った。クルーズ氏は声明で米国と台湾を「二つの国家」と表現した。 また声明では、中国の総領事館から、蔡氏と面
韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する「少女像」が設置された問題をめぐり、長嶺安政・駐韓日本大使と森本康敬・釜山総領事が9日、一時帰国した。像設置への対抗措置で、大使らは10日以降、安倍晋三首相や岸田文雄外相らに現状を報告する。 駐韓大使が韓国政府への抗議の一環で一時帰国するのは、2012年8月に李明博(イミョンバク)大統領(当時)が竹島に上陸して以来。長嶺氏は帰国に先立ち、ソウルの金浦空港で記者団に「少女像の設立は極めて遺憾だ」と述べた。 長嶺氏らは帰国後、外務省で幹部らと当面の対応などを協議。訪欧中の岸田外相には11日に、首相には早ければ10日にも状況を報告し、一時帰国の期間など今後の対応を協議する見通しだ。 釜山の少女像は昨年末に設置。日本政府は慰安婦問題の決着をうたった15年末の日韓合意の精神に反するとして、撤去を求めた。韓国側が応じないため今月6日、大使らの一時帰国など
「重い風邪」を理由に、クリスマスと新年の礼拝を欠席した英国のエリザベス女王(90)が8日、数週間ぶりに公の場に姿を見せた。恒例行事をめったに欠席せず、健康を保っていた女王の長期の不調に、一時は重病説も流れていた。 英PA通信によると、女王は8日午前、夫のフィリップ殿下(95)やウィリアム王子夫妻らとともに、滞在中の英東部ノーフォーク・サンドリンガムの教会の礼拝に参加。鮮やかな青色のコートと帽子を身につけた女王は、周囲の助けを借りずに車から降りると、ゆっくりとした足取りで教会に向かった。女王の到着を見守った人々からは拍手が起きたという。 女王は昨年12月、フィリップ殿下と同時期に「重い風邪」を患い、当初21日に予定していたサンドリンガム入りを1日遅らせた。王室によると、女王は1月3日に公務を再開し、勲章授章を行ったが、公の場に姿を見せるのは今回がサンドリンガム滞在中で初めてとなった。(ロンド
イランのラフサンジャニ元大統領の死去は、欧米との関係を重視する国内の保守穏健派と、反欧米を掲げる保守強硬派の間で揺れてきたイラン政治のバランスに変化をもたらす可能性がある。特に、保守穏健派のラフサンジャニ路線を踏襲するロハニ現大統領にとっては、精神的な支柱を失った形だ。5月に予定されるイラン大統領選挙にも影響を与えかねない。 ラフサンジャニ師は1997年に2期8年の大統領任期を終えた後も、最高指導者ハメネイ師に次ぐ事実上のナンバー2として国政に影響を与えてきた。表現の自由や女性の権利拡大に理解を示し、「孤立」に向かいがちなイランを国際社会に引き留める役割を果たした。 ラフサンジャニ師の支援を受けて2013年に誕生したのが、保守穏健派の現ロハニ政権だ。核開発に対する制約を受け入れて米欧による経済制裁解除を実現。核開発を強行した保守強硬派のアフマディネジャド前政権からの転換を明確にした。 だが
ビジネスで成功した私は大統領にふさわしい――。そう訴えて、米大統領の座に上りつめた「不動産王」トランプ氏。しかし、経営する企業の実態は不明な点が多いうえ、過去には関連会社が次々と経営破綻(はたん)するなどトラブル続きだった。ビジネスマンとして本当に有能だったのだろうか? 「資産1兆円」というが ニューヨーク・マンハッタン5番街のトランプタワー。目抜き通りの超一等地にそびえ立つ高層ビルには、トランプ氏のほか、各界のセレブや有名企業のトップが暮らす。1階部分に「グッチ」などの店舗があり、きらびやかな雰囲気は「成功者」のイメージそのものだ。 ただ、光り輝くトランプ氏の所有する建物とは裏腹に、同氏のビジネスの実像となるとナゾに包まれた影の部分が多い。 事業の中核となるのは、不動産会社「トランプ・オーガニゼーション社」。株式を上場していないため財務の状況などはよく分からない。しかも、幹部にはトランプ
イランメディアによるとラフサンジャニ元大統領が8日、死去した。82歳だった。死因は不明だが、心臓の問題で同日、テヘラン市内の病院に緊急搬送されたと報じられた。1979年のイスラム革命を率いた故ホメイニ師の右腕として活躍、89年から97年までの2期8年、大統領を務めた。国教とするイスラム教シーア派の教えにこだわらない現実的な政策をとり、現代イランの政治体制を確立した。 34年、イラン南東部バフラマン生まれ。早くからホメイニ師に師事し、革命後は内相、国会議長を歴任。イラン・イラク戦争(80~88年)では軍の最高司令官代理を務めた。大統領としては戦争で疲弊した経済の復興を最優先に掲げ、自由経済を推進。欧米やアラブ諸国との融和を進め、禁止されていた音楽、映画など表現の自由や、女性の権利の拡大に力を入れた。 一時は最高指導者ハメネイ師をもしのぐ権勢を誇ったが、05年に再出馬した大統領選でアフマディネ
エルサレムで8日、トラックが歩道の歩行者に突っ込み、イスラエル軍兵士の男女4人が死亡、少なくとも15人が負傷した。運転手はその場で射殺された。イスラエル警察によると、運転手は東エルサレム出身のパレスチナ人の男で、テロ事件として捜査を開始。ネタニヤフ首相は「あらゆる兆候から、過激派組織『イスラム国』(IS)の支持者」との見方を示した。 現場はエルサレム旧市街を見下ろせる観光客らに人気の遊歩道。警察によると、トラックはバスから降りてきた兵士らに突っ込んだ後、バックして再びはねたという。ネタニヤフ氏は、ベルリンのクリスマス市(いち)で昨年12月、トラックが突っ込んだ事件などとの関連性にも言及した。 ヨルダン川西岸や東エルサレムなどでは2015年10月以降、パレスチナ人がイスラエル人を刃物などで襲撃する事件が相次ぎ、AP通信によるとイスラエル側で40人超、パレスチナ側で約230人が死亡した。最近は
シリア内戦の激戦地アレッポを脱出したエジプト人のカマル・ハッサン・シャハタさん(41)が昨年12月末、エジプトに戻り、朝日新聞の取材に応じた。自宅は反体制派が拠点としたアレッポ東部にあった。制圧をめざすアサド政権軍の砲撃と食料不足で死を覚悟したという。 シャハタさんの父親は1970年代からアレッポで照明器具の製造販売業を営んでいた。85年に家族もアレッポへ移住。シャハタさんはエジプトで一時兵役に就いたが2000年にアレッポに戻り、シリア人女性と結婚した。 11年春、「アラブの春」がシリアに波及。政権軍は反政府デモを弾圧し、戦闘が拡大した。11年7月には反体制派の武装集団がアレッポ東部に入ってきた。穏健派からイスラム過激派まで多くの組織があったが、みんなマスクをしていて区別はつかなかった。政権は反体制派を「テロリスト」とみなした。 シャハタさんは14年2月に照明器具の工場や自宅、現金、車を武
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く