結婚はしたいが、姓は変えたくない。事実婚という方法があるけど、大変そう? 政治学者の中北浩爾さん(49)と労働経済学者の首藤若菜さん(44)は、明るく軽やかに夫婦の姓が異なる家族を築いてきました。でも、この春に法律上の結婚をしたのです。何があったのでしょう。夫婦別姓や家族のありようについて語ってもらいました。 ――なぜ事実婚を選んだのですか。 首藤 結婚前は遠距離で付き合っていて、深夜の電話で夫の方から言い出したんです。「自分は姓を変えたくない。あなたに変えてもらうことにも抵抗がある。別姓、事実婚でいきたい」と。私は漠然と姓を変えたくないと思っていましたが、事実婚は簡単ではないと見聞きしていたので、無理に説得してまでとは思っていませんでした。だから夫から言い出してくれてうれしかったです。 中北 妻になる人に寄りかかられるのは負担が重いと、ずっと思っていました。父が高校生の時に亡くなったこと