岸田文雄首相がキャッチフレーズとして掲げる「新しい資本主義」について、「いったい何を言っているのかわからない」という声が少なくない。 岸田氏は、首相に就任した直後に有識者を集めて「新しい資本主義実現会議」を作った。彼は何もわかっていないけれども「新しい資本主義」と言ってみたかったのだろう、という推測にはリアリティがある。 当面は空っぽの「新しい資本主義」 企業の世界では、能力的な「器」が足りない人物が社長になった場合に、それらしい問題をテーマとした「○○委員会」のような組織(会議をするだけなのだが)をたくさん作るのはよくあることだ。 岸田氏の周辺は(あるいはご本人が)、さすがにこれでは格好が悪いと思ったに違いない。『文藝春秋』の2月号に、「私が目指す『新しい資本主義』のグランドデザイン」という寄稿記事が載った。 同誌のこの種の記事は、本人が話して、文春の記者ないし、ライターが原稿を書いて、
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