ブックマーク / tomomachi.hatenadiary.org (4)

  • ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 「千と千尋」はなぜ「湯女」なのか

    人は証拠や論理よりも、自分の信じたいことだけ信じる、という話の別例。 宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に関しては柳下毅一郎の対談映画欠席裁判』その他で書いてきたとおり、娼館を舞台にした物語である。 しかし、そう指摘されると怒る人が多いんだ、これがまた。 主人公は「湯女」として働かされるのだが、国語辞典でも百科事典でも何でもいい。「湯女」という言葉を引いて欲しい。 たとえば『日大百科全書』にはこうある。 「温泉場や風呂屋にいて浴客の世話をした女性のこと。一部は私娼(ししよう)化して売春した」 『大辞林』にはこうある。 「江戸時代、市中の湯屋にいた遊女」、 『岩波古語辞典』だと「風呂屋に奉公し、客の身体を洗い、また色を売った女」。 「そういう見方もある」だの「そういう解釈もある」だのというレベルではなく、「湯女」とは「娼婦」を意味する名詞なのだ。 ただし、昔から風俗においては初潮前の少女は見

    ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 「千と千尋」はなぜ「湯女」なのか
  • 『セッション』菊地成孔さんのアンサーへの返信 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    これは、町山さんにアンサーさせて頂きます(長文注意)への返信です。 せっかく紳士的に書いたのに「町山さん、昔は仕掛けるときそんな口調じゃなかった癖にさ!(笑)ちょっと見ない間に、すっかりもう!!(笑)」ときやがった。 わかったよ、なら、昔通りの言葉遣いでやったろうじゃねえか。 オラァ! きくちなるあな! 読めねえ名前親につけられてんじゃねえよ! これでどうだ! 菊地さんがジャズを愛してるように、オイラも映画を愛してるし、この『セッション』という映画が大好きだから、1万6千字も使って口汚く罵倒されて、「菊地さんの批判を読んで観ないことにした」なんてツイートまであったから頭にきたんだよ! この小さい映画を守りたかったんだよ! ああ、たしかにオイラは菊地さんが『ハッスル&フロウ』についてデタラメ書いた原稿読んで、ファースト・インプレッションで「うさんくせえ!」って思ったよ! いや、違うな。正直言

    『セッション』菊地成孔さんのアンサーへの返信 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
    meshupecialshi1
    meshupecialshi1 2015/04/22
    巧みな痛み分け。表現内容的にも政治的にも大変優れた文章ですね。さすがの老獪さ。
  • 『バードマン 無知がもたらす予期せぬ奇跡』 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    「どうしてこんなドツボにはまっちまったんだ?」 主人公リーガン・トムソンが白いブリーフ一丁で座禅を組んで宙に浮いている。……あ、宙に浮いてる理由は後で。 場所はどこかの楽屋。トムソンはかつてハリウッド超大作『バードマン』の主演スターだったが、その後は鳴かず飛ばず。子にも逃げられた。それが60歳をすぎた今、自ら製作・演出・主演するブロードウェイの舞台劇に再起を賭けている。 トムソンを演じるは、かつてアメコミのスーパーヒーロー、バードマンを映画で演じたスターだったが、その後、鳴かず飛ばずのまま60歳を越えた。演じるのはマイケル・キートン。彼自身も、ティム・バートン監督の『バットマン』(89年)で主人公ブルース・ウェインを演じた。 『バードマン』の監督はアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。彼の映画はいつも暗い。『アモーレス・ペロス』では都市の最下層で貧しさにあえぐ若者が金のために愛犬を闘犬

    『バードマン 無知がもたらす予期せぬ奇跡』 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
  • 菊地成孔先生の『セッション』批判について - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

    その後、俳優名を役名に統一するなど細かい部分をいじったため、4月17日に上げた文章とは細かい部分で違っていますが、論旨は同じです。 初期バージョンはこちらにありますので比較できます。 日では今日(4月17日)から公開される映画『セッション』を、ジャズ専門家である菊地成孔先生がジャズ音楽家の立場から酷評しています。 http://goo.gl/Jt1sc3 それを公開前に読んだ人々の間で「素晴らしい批評」などと評判を呼んでいます。 「自分はジャズがわからないが、ジャズ専門家が観れば駄作なんだろうな」とか 「映画はまだ観てないが、ジャズを知らない100人の評価よりも菊地さん一人を信じる」とか とにかく、いちばん問題だと思うのは「菊地さんの酷評を読んで『セッション』を観るのをやめた」という人が決して少なくはないことです。 また、『セッション』ではスパルタでハラスメントなフレッチャー先生(JKシ

    菊地成孔先生の『セッション』批判について - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
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