東京電力福島第一原発事故後に収束作業の拠点となった福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」が二十日に全面再開した。来年の東京五輪では聖火リレーの出発地となり、「復興五輪」を掲げる安倍政権は、世界に福島復興をアピールする機会ととらえるが、周辺地域では避難の長期化で住民の帰還が進まないなど課題が山積している。「復興の象徴」として強調されすぎれば、課題解決がおろそかにならないかとの懸念もある。 Jヴィレッジは県沿岸部で原発十基を稼働させていた東電が整備し、地域振興を目的に県に寄贈した施設で、一九九七年に国内初のサッカーのナショナルトレーニングセンターとして開設された。今も運営は東電が出資する会社が担い、東電と関係が深い。事故前は年間約五十万人が訪れたが、原発事故で状況が一変。 第一原発から南に約二十キロと近いため、直後からピッチは作業車両の除染スペースなどとして使われた。被ばくの有無を調べる装置や作