「学歴」、それは時に人を幸せにし、時に人を不幸にする。学歴なんて気にしてはいけない、と否定する人がいるのも事実。しかし一方で、学歴にこだわり続ける人もいる。学歴を掴み取った者と敗れ去った者、双方の姿を描くことで注目を集めている作家がいる。慶應義塾大学卒の麻布競馬場さん(31歳)と、京都大学卒の佐川恭一(37歳)さんだ。 麻布さんは’22年に『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』を刊行、「タワマン」「港区女子」「東カレデート」といったキーワードを軸に、現代人の生き様を炙りだした。一方、佐川さんは最新作『清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた』でいわゆる「非モテ」や受験を扱い、独自の世界を築きながら青春の悲哀を描いている。 今回、現代日本を代表する「学歴作家」の東西両横綱に「大学選び」をテーマにインタビューを行った。後編では佐川恭一さんに、関西の大学事情を語っていただいた。 「京