カリフォルニア全土に外出自粛令が発布されて一月あまり。先の見えない日々に鬱々とした気分は募るばかりだった。 そんなある日、突然届いたのがこの給付金の小切手である。 同僚らから現金給付の噂は聞いていた。しかしそれはアメリカ国民に対してのみで、永住権保持者すら対象外、つまり私のような期限付き労働ビザの分際には縁のない話ですっかり忘れてしまっていた。 文字通り金が空から降ってきたようで、私はにわかには信じられなかった。わななきながら先の小切手を大家に見せた。すると彼はさも当然のように、納税者は全員もらえるぞ。いらないならワシにくれるか? ガハハと笑うのであった。 私はほとんど泣きそうになって、思わず「What a great country America!」と叫んでしまった。まさか私の人生で「偉大な国アメリカ」なんてセリフを真顔で言う日が来るとは思わなかった。 自室に戻って私は給付要件を調べた