1950年代に入って、ライツが高性能のレンズを作るためにガラスにトリウムという放射性物質を混合していた時期がある。 この方法は高い屈折率を得るために大変有効で、実際トリウムを混ぜた初期のズミクロンは、そうでないズミクロンに比して解像力や色収差において優れているという報告もされている。 ライツに追随して、コダックのエクターなどにもトリウムが添加されたが、日本の有名メーカーがこれを採り入れた 時代は意外に長かった。ライツが1952年には酸化ランタンを採用してトリウムの使用をやめたのに、日本では1970年代半ばまでこれを混合したレンズを製造していたという。某有名写真専門誌でトリウム添加レンズを「アトムレンズと呼ぼう」などとお気楽に取り上げていたが、私は次の理由から、少し真剣に考えたいと思った。 1.同誌では、放射線量の極端に多いレンズには殆ど触れていなかった。 2.法令で定められた放射線量を
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