城野遺跡の石棺の壁に描かれた人物 方形周溝墓から出土した石棺。朱色に塗られていた=2009年11月、北九州市の城野遺跡古代中国の方相氏 北九州市小倉南区の城野(じょうの)遺跡で、弥生時代終末期(3世紀前半ごろ)の墓の石棺に、武器らしいものを持つ人物像が描かれていることがわかった。弥生の石棺に描かれた人物画は極めて珍しく、弥生人の葬送儀礼を知る貴重な手がかりになりそうだ。 城野遺跡は同市芸術文化振興財団の埋蔵文化財調査室が発掘してきた。昨年、周りに溝を巡らせた方形周溝墓が発見され、子供用の石棺が見つかった。石棺の内側には赤い顔料が塗られ、頭側の板に、大きさ約20センチの人物の上半身が薄く彫り込まれていた。右手に武器、左手に盾のようなものを持っている。武器とすれば、弥生遺跡で出土する戈(か)とみられる。胴体には格子模様、顔には複数の目のような表現があるという。 弥生時代の土器などには、