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2020年10月12日のブックマーク (7件)

  • 『アスペルガー医師とナチス 発達障害の一つの起源』現代の精神医学とナチス 光と闇の意外なつながり - HONZ

    医師にとって自らの名が診断名に冠されるのは名誉なことに違いない。だが「アスペルガー症候群」に名を冠した医師ハンス・アスペルガーにとって、それは胸を張って誇れた名誉だろうか。 アスペルガーは、ナチス統治下のオーストリア・ウィーンで小児科医として活躍した。敬虔なカトリック教徒でナチスにも入党しなかった彼は戦後、ナチスに抵抗した人物として評価された。また戦中に障害のある子どもたちを迫害から守るため、彼らには特殊な能力があると診断し、「第三帝国に貢献できる人材だ」と主張して命を救った経緯から、良心的な医師としても尊ばれた。 だが書で描かれるアスペルガーの人物像は、これまでの慈愛と反骨のイメージを覆す。筆者が史料を丁寧に掘り起こすことで白日の下にさらした裏の顔は衝撃的である。 ナチスの悪名高い政策の1つが「T4プログラム(成人安楽死プログラム)」だ。同政策の下、ナチスはドイツ民族にふさわしくないと

    『アスペルガー医師とナチス 発達障害の一つの起源』現代の精神医学とナチス 光と闇の意外なつながり - HONZ
    mfluder
    mfluder 2020/10/12
    “本書の見立てによると、アスペルガーが提唱した「自閉的精神病質」という概念は、こうしたナチスの選別思想と通底している”
  • 『剱岳—線の記』古代日本のファーストクライマーを探せ! - HONZ

    新田次郎の『劒岳〈点の記〉』は、日露戦争直後の1907(明治40)年、前人未到とされ、また決して登ってはいけない山と恐れられていた北アルプスの剱岳(標高2999m)の登頂に挑んだ測量官を描いた山岳小説の傑作である。 物語は、設立間もない日山岳会との初登頂争いの形をとりながら進んで行く。 実際はこの登攀争いはフィクションらしいのだが、剱岳が当時、未踏峰とされていたのは事実だ。そして、日陸軍参謀部陸地測量部の柴崎芳太郎率いる測量隊が命がけの登頂に臨み、見事成功した。 ところが、彼らはそこで信じがたいものを目撃した。 山頂で彼らは、古代(奈良〜平安時代)の仏具を発見したのだ。 置かれていたのは、錫杖頭と鉄剣だった。錫杖頭とは、杖の頭部につける金属製の仏具である。振ると円環が触れ合って音が出る。山中で修行する山伏が携行しているものだ。柴崎隊よりもはるか昔に、剱岳の山頂にたどり着いていた者がい

    『剱岳—線の記』古代日本のファーストクライマーを探せ! - HONZ
    mfluder
    mfluder 2020/10/12
    “「剱岳のファーストクライマーは誰か」という謎を解明するにあたり、著者がまず注目したのも立山信仰だった”
  • 映画「アルプススタンドのはしの方」 - かむろのたより

    8月、9月と、某シネコンで、映画「アルプススタンドのはしの方」を見た。 映画館で映画を見たのは、1月に「ラストレター」を見て以来で、7か月ぶりぐらいのシネコンだった。 8月に行ったときは平日で、お客さんは、私のほかにひとり。今月は休日の午後に見たが、お客さんは、私のほかにふたりだった。入りがいいとはいえなさそうだけど、「アルプススタンドのはしの方」を、もう9週間上映している。 「アルプススタンドのはしの方」は、Eテレで放送された高校演劇もよかったし(映画のパンフレットに、その高校演劇版の戯曲が載っているのがうれしい)、浅草九劇で見た舞台はもちろんおもしろかったし、この映画版も舞台にはなかった見どころやシーンがあって、それもまたいいよね。 浅草九劇と同じキャストのメイン女子3人の関係が、より丁寧に繊細にえがかれているのは、映像ならでは、かな。というか、高校演劇版よりも浅草九劇版、さらに映画

    映画「アルプススタンドのはしの方」 - かむろのたより
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    mfluder 2020/10/12
  • 藤野裕子『民衆暴力』 - 紙屋研究所

    このの趣旨は別のところにあるのだろうが、何と言っても同書を読んでぼくが一番に受けたインパクトは、関東大震災における朝鮮人の虐殺について書かれた部分である。 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日近代 (中公新書) 作者:藤野 裕子 発売日: 2020/08/20 メディア: 新書 ぼくはこの事件について自著『不快な表現をやめさせたい!?』で次のように書いている。 不快な表現をやめさせたい!? 作者:紙屋 高雪 発売日: 2020/04/06 メディア: 単行(ソフトカバー) ヘイトスピーチの怖さは、例えば「在日韓国人」「ユダヤ人」という「人種」としてくくられた人たちが丸ごと「二級市民」と見なされるようになって、その社会の中で「どう扱ってもよい存在」にされてしまうことです。これは単に個人が攻撃されるというだけにとどまらず、社会が壊れてしまうことを意味します。現に日では、関東大震災の折に「人種

    藤野裕子『民衆暴力』 - 紙屋研究所
    mfluder
    mfluder 2020/10/12
    “ぼくにとってこの本を読んだ最大の意義は、この本の主題とは全く別に、関東大震災の朝鮮人虐殺についてのイメージを大きく覆されたというその1点にあった”
  • 津原泰水/近藤ようこ『五色の舟』を読む - 関内関外日記

    五色の舟 (ビームコミックス) 作者:近藤 ようこ 発売日: 2014/04/23 メディア: Kindle版 おれは近藤ようこが漫画化した『高丘親王航海記』と『夜長姫と耳男』にすっかりやられてしまったので、さらに近藤ようこを読もうと思った。 『五色の舟』。原作は津原泰水。おれと津原泰水、津原泰水とおれ。おれは短編である「五色の舟」が掲載されている『11 eleven』を手にとったことがある。そして、冒頭を飾る「五色の舟」を読んで、それよりあとを読むことなく放ってしまった。 goldhead.hatenablog.com なぜ放ったのか。つまらなかったのか。ぜんぜん、逆だ。「五色の舟」がすばらしいことこの上ないので、おれには眩しすぎてそれ以上読むことができなかったのだ。前にも書いたが、どんな思い上がりであろうとも、嫉妬に似た感情がそこにはあった。おれはしがない日記書きだが、それでも最低限人

    津原泰水/近藤ようこ『五色の舟』を読む - 関内関外日記
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    mfluder 2020/10/12
  • 『太陽プロについて(2) 西谷祥子』

    風媒花■メカデザイナー板橋克己のマネージャー。 ■元・漫画原作者(週刊,月刊少年マガジン等に連載) ■昔(60年代。中学・高校時代)貸屋さんの貸(単行)の原作も少し書きました。 私が太陽プロに出入りしていたのは、十代の時です。 ハタチ過ぎたら只の人(?)でした。 当時の漫画の勉強方法は、模写でした。 それがすべて。 模写しかありませんでした。 (このことについては、殿の証言もあります) さがみゆき先生に「なかよし」編集部に連れていっていただいて以後、講談社に行く機会がたびたびありました。 地方の漫画友達(文通していた)が上京してきて、出版社を訪ねたいと言うので、案内したこともありました。 その時お会いした編集者氏も、(漫画家志望者に向かって) 「どの漫画家が好き?その人の絵を徹底的に模写しなさい。 マネしてもマネにはならない。絶対に自分が出てくる。どんどんマネしなさい」 と言っていま

    『太陽プロについて(2) 西谷祥子』
  • 『太陽プロについて(1) 零時社と太陽プロ』

    風媒花■メカデザイナー板橋克己のマネージャー。 ■元・漫画原作者(週刊,月刊少年マガジン等に連載) ■昔(60年代。中学・高校時代)貸屋さんの貸(単行)の原作も少し書きました。 脱線につぐ脱線、すみません。 太陽プロのことをもっと書いて、というリクエストをいただきまして。 ちょうどブログに書くことを探していたところだったので、やってみようかなーと思います。 戦記漫画のヒットも、1960年代のことです。 バックを語れば、(ありかわ栄一とか)貸漫画にたどりつく。 ゆえに、それほど大幅な逸脱ではないような気もします。 なにぶん、半世紀以上過去のことではあります。 忘れたこと、他の記憶と混じりあい、変容してしまった記憶もあるかと思います。 第一、清野とおる先生とか、郷力也先生とかが、もう語ってしまっているのではない? 私が書くことって、今さらあるのかしらね? ただ、忘れたことは多いとしても

    『太陽プロについて(1) 零時社と太陽プロ』
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    mfluder 2020/10/12
    “池川 伸治”池川の武器はホラーだったので、それを受け入れてくれるのは少女だけだった"