これまでのサブタイトルは 究極の内部告発はなぜ起きたか でした。 これを 死ぬよりもつらい選択がある に、変更することにしました。 私の研究テーマはいくつかありますが、ライフワークは福本日南の研究です。日南は福岡藩士の家に生まれ、現在では主にジャーナリズムの側面で注目されていますが、それはあくまでも日南の一面でしかありません。あまりに多方面に活躍したこと、つまり特定のジャンルに収まりきれないことが彼を埋もれさせることとなったのです。日南を陽の当たる場所に! と、頼まれもしないのに汗をかいているという次第です。 ところで、日南が森鴎外の「栗山大膳」が発表されるや否、厳しい批判を浴びせたことは、文学史の分野でもあまり注目されていません。 日南と鴎外の対立点は、黒田騒動における栗山大膳の行動をどう評価するかでした。この連載ではその点を比較したいと思っていますが、その手がかりの