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ブックマーク / talkiyanhoninjai.net (2)

  • 確実なのは「武蔵が勝った」ことだけ――大倉隆二『宮本武蔵』 | 電羊齋雑記 Talkiyan Honin Jai hacingga ejebun

    大倉隆二『宮武蔵』人物叢書新装版、吉川弘文館、2015年2月 剣豪、そして深い教養を持つ文化人として知られる宮武蔵だが、壮年期までの武蔵について確かなことはごくわずか。 武蔵の実像がよくわかるのは、晩年に肥後の細川家に客分として迎えられてから世を去るまでの5年足らずの間だけ。 有名な吉岡一門との勝負、巌流島の決闘でさえ、わからないことの方が多い。 書によれば、史料から確実に読み取れるのは、武蔵が京都で「天下之兵法者」と数度にわたり戦って勝ったこと、巌流島で武蔵が「岩流(巌流)」と勝負して武蔵が勝ったことだけらしい。 巌流島の決闘の相手「岩流(巌流)」の名は一般に「佐々木小次郎」の名で知られているが、史料によっては別の名が記されており、確かなことは言えないようだ。 著者は、これまで武蔵の生涯に関する基史料とされてきた小倉の顕彰碑、いわゆる「小倉碑文」の史料批判や、信頼は置けるが圧倒

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  • 振り返れば奴がいる――岡本隆司『袁世凱――現代中国の出発』 | 電羊齋雑記 Talkiyan Honin Jai hacingga ejebun

    隆司『袁世凱――現代中国の出発』岩波新書1531、岩波書店、2015年2月 袁世凱の生涯とその時代背景、そして清末中国の権力構造についてわかりやすく記述。 要点がうまく整理されており、文章も読みやすい。 特に、清末中国の権力構造を、中央の西太后による「垂簾聴政」、地方の総督・巡撫の権力増大を表す「督撫重権」という二つのキーワードで説明している点はわかりやすかった。 それにしても、袁世凱の清末民初の重要イベントでの「皆勤」ぶりには改めて驚かされる。 日清戦争、戊戌政変、義和団、光緒新政(北洋新政)、辛亥革命、その後の混乱と皇帝即位……よくもまあしょっちゅう登場するものだ。 振り返れば奴がいるw 李鴻章、洋務派官僚、西太后ら清朝を支えつづけた重鎮たちが時の流れとともに退場していき、変法派は半ば自滅、保守派も義和団もろとも粛清されていく。 その中にあって、袁世凱は、堅実な手腕、政界遊泳術で、

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