この種はまるで人間が大きな口を開けたような形をしている。それがこの名の由来らしいが、実際にはこの口のような部分は入水孔であり、これを開いてごく小型の動物までも食物とする、肉食性のホヤと呼ばれるものの一つである。和名はそのまま、大きな口に見えることから[1]。 本体はほぼ球形で、直径は50-70mm[2]。その下には30-50mmの柄部があり、その下面で硬い基盤に付着している。柄の太さには変異がある。入水孔は本体の横面にあり、横に裂けた大きな口を形成し、その縁は前唇と後唇が明確に区別出来る。唇の縁は滑らかになっている。出水孔は本体の頂部にあり、入水孔とは異なり、普通のホヤサイズで6葉に囲まれる。外皮はやや厚く、寒天質で半透明、乳黄緑色から乳白色を呈する。表面は滑らかで筋膜はごく薄い。鰓嚢は浅く、褶襞はない。鰓孔は不規則な網目状で、内縦走筋と背膜に当たる構造がない。鰓嚢への入り口にある触手は小