砕氷艦「しらせ」 近年南極が話題に上ることが多くなった。オゾンホールに関心が持たれたのか、 はたまた地球温暖化に興味を示したのか、それともNHKの影響なのか、 理由はどうあれ好ましいことであると思う。 その反面、支援任務に就いている砕氷艦に対する関心が薄いのは、 海国ならぬ「島国」日本の国民性故か。 7月23日付の朝日新聞に珍しく入渠中の写真が載っていたが、記事には一部間違いが見られた。 現在の「しらせ」も後継艦が必要な時期になってきたが、 思い出すままに当時の思い出を連ねてみることにした。 「しらせ」は昭和54年度計画の船で、設計・建造・運用は防衛庁で行うが、 予算は文部省であったと聞いている。 当時防衛庁技術研究本部に勤務していた私は、船体構造設計を担当することとなった。 とは言っても担当者はただ一人、他艦との掛け持ちでもあり、 具体的な計算・製図はメーカーに頼らざるを得ないのが実情で