夜中にテレビを観ていて、ガツーンと衝撃を受けてしまった。NHKで放送されている『ドキュメント72時間』という番組だ。1つの場所を72時間定点観測し、そこを通り過ぎる人々をカメラに収めていくというドキュメンタリー番組。今回の放送でカメラが置かれたのは、京都の名所であり、地元の人々の憩いの場としても名高い「鴨川デルタ」である。 早朝、阪神大震災で妻子を失った日雇い労働の男性が川をじっと眺めている。その目には過ぎ去ってしまった日々が映っているのだろうか。元・水商売の女と元・不動産屋の男が”かつて”を語り合う酒盛り。どうしても(どうしてかはさっぱりわからない)娘と一緒に川の飛び石を飛びたかったという母とその姿をカメラに収める父。精神科で出会った妻の“かわいさ”をプロモーションビデオとして撮影する無職の夫。夜の鴨川で繰り広げられている学生達の大騒ぎ、それを対岸から羨ましさをひた隠しながら眺める女子校